排卵障害

排卵障害(無月経)

月経周期中、女性の身体は脳内にある司令塔「視床下部」から分泌されるゴナドトロピン放出ホルモンの律動的な分泌の支配を受け、卵胞成熟、排卵という協調的な一連の変化が周期的に起こります。その周期は約28日を単位としています。
妊娠が成立するためには、卵子と精子が一つになる必要があります。卵子は月に1回、女性の卵巣から骨盤腔に排出されますが、この現象を「排卵」と呼びます。排卵がうまく起きないと妊娠しませんが、この病態を医学用語で排卵障害(無排卵症)と呼び、排卵を起こす病院での治療法を「排卵誘発法」と呼びます。不妊症のカップルの約3分の1は排卵障害があります。

さて、視床下部から分泌されたゴナドトロピン放出ホルモンは、下垂体にある細胞にはたらき、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)が分泌されます。FSHは卵巣にある卵胞を発育させ、LHは発育して成熟した卵胞に働いて排卵を促します。この間、卵胞からはエストラジオール(E2)が分泌されます。これらの卵巣ステロイドホルモンは子宮に働きます。
すなわち、エストラジオールは内膜を増殖させ、一方、プロゲステロンは分泌期変化を起こして受精卵が子宮内膜に着床しやすいように変化させます。